おじいさんの家のところで、麻生親子とメヤニー、はたモンに餌を。相変わらず、メヤニーははたモンの餌を取ろうとする。

麻生がくしゃみをしたら、鼻水が飛んだ。

昨日薬が届いたので、ちゅーるに混ぜて麻生に薬を飲ませる。ちゅーるの匂いでメヤニーが狙ってくるので、メヤニーにちゅーるをあげながらガッツリ抑える。

はたモンは相変わらず、固まり気味。警戒が解けない。

餌をあげて、黒イチ親子がいる裏路地の家のところへ行ってみた。

黒イチとリンリン・ランランのかた方がいた。もう片割れはいなかった。とにかく似すぎで、区別はつかない。

その家の前の白いボールにドライフードを入れた。

黒イチはすごい勢いで食べ始めた。リンリン・ランランの片方は警戒して草の間からこっちを見て、ミャーミャー鳴く。

猫を嫌っているお宅の家のすぐ横。まだ仔猫なのに声でかい。

私が少し離れると、餌のボールに走っていった。

二人はボールに頭を突っ込んで、ガツガツ食べる。

黒イチはいつも、麻生たちの餌やりが終わると、私を追って黒い子どもたちのところに私を連れて行こうとしてた。

だけど、近隣の目も気になるし、猫たちが連れて行ってくれるところはたいがい誰かの私有地。私の時間と労力と、人々の目・・・。

黒イチはある角まで来るとそこで止まり、私が去っていく姿を見ながら鳴いた。すべての猫をケアできるわけじゃない。どこかで線を引かないと、私が壊れる。

その角を出ると、車も多い。

どうか、ついてこないで。

数日前に、裏路地の家の息子さんと黒イチたちのことを話した。初めて話した。今朝は学校へ行こうとする娘さんに出くわした。

「あ、猫のこと。何度か来たけどいなかったの。あの猫たち、黒い子供が二匹いたのよ。知ってた?」

「知りませんでした」

「私も知らなかったわ。あ、ここの箱に、今度餌持ってきて入れとくから。また改めてくるね。とりあえず学校行ってらっしゃい」

「はい!」

とりあえず、ここによくいるのは、黒イチ親子3匹と、はたモン、キジダーの5匹だと思う。

昨日の夕方、この家の少し先の家の庭にリンリン・ランランの片方がいた。庭にいたご主人に声をかけてみて話をしてみた。70代くらいの方だと思う。

迷惑をしてる。避妊去勢のこととかそういうのはわからない。とにかく迷惑をしてる。という感じのことを言っていた。忙しいからと奥に入っていった。

難しいとは思う。だけど、この地域にいる猫は、この地域の猫で、今までの結果が、現実としてあるだけだとは思う。世代が違うと常識や考え方が違う。法律も変わった。

この町で、猫たちと暮らす方法、妥協点、いろんなことを模索している。

帰りに、麻生やはたモンの所に寄った。向かい側の家の奥さんが庭に出ていた。その家の庭に子猫たちが出入りするのが気になっていたので、「仔猫が庭にはいりますよね」といってみたけど、返事はなかった。

ご主人が奥さんに、仔猫が入ってくると言った。私に聞こえるように行ったのか、たまたま言ったのかはわからない。だけど、迷惑をしてる、そんな感じの少し重たい声だった。

おじいさんの家の横の道の階段の上から、猫たちを眺めながら、考える。

どうするか。どう段取りを取るか。

どうしてこんな事をしてるのだろうと、今も時々思う。

そんなめぐり合わせ。多分そんな流れ。きっとね。仕方ない。