もしかしたら、メヤニーとお別れになるかもしれないから、昨日の夜はメヤニーと遅くまで遊んだ。だけど、ひとりでのケージの中にいるのはストレスになっていると感じた。

朝起きると、メヤニーはケージの中の餌のお皿をひっくり返して、ミャーミャー泣いていた。

メヤニーのうんこを片付け・・・、いや、餌を先に置いた。餌に意識が行っているうちにトイレを片付けた。

玄関前にリラが来ていた。玄関を開けると、麻生もいた。ヴェガが居ない。

リラにご飯をあげて、もう一度外に出る。麻生を玄関から追い払う。その向こうに、不安そうな顔をしたヴェガが居た。

「ヴェガ、いらっしゃい。ごはんよ。大丈夫。いらっしゃい」

不安そうな眼をしたヴェガの目を見つめて、そういう。

ヴェガはゆっくりと、玄関から入ってきた。

二人がご飯を食べてる間に、麻生をウチの敷地から出す。

麻生は、しっぽを立てて、私についてくる。

坂を下りて、Oさんの家の門の前の溝から。麻生美が出てきた。捕まえて、麻生のそばに連れて行った。それからしばらくして、麻生子も溝から出てきた。Oさんの家の門の前で3匹の猫たちをじっと観察していたら、Oさんの家の玄関が開き、Oさんが出てきた。

「おはようございます!」

Oさんの家の端っこの敷地で、麻生達に餌をあげさせてもらえないかと話した。

Oさんの家の横の坂から、富士男さんが降りてきた。私たちは、富士男さんのそばに行き、「富士男さん、おはよう」と、優しく言った。私たちは、弱った富士男さんが姿を見せてくれると、安心する。

いつも、とても警戒して私を見る富士男さんは、私がしゃがみ込んで、目を見て、「おはよう」という私の目を、不安そうだけど、警戒が減った眼で見た。

「わたし、餌とってきます!」

坂を上がり、家に帰り、餌と、お皿と、昨日富士男さんが食べた老猫用の餌の残りをかごに入れて・・・メヤニーをどうするか迷った。麻生達と一緒にいさせるか。そのままケージに入れて、友人に預けるか・・・。でも、一番この子たちにとって、自然な形は、麻生と一緒に居る事かもと思い、メヤニーを抱きかかえて、餌のかごをもって、Oさんの家の前に行った。

Oさんは、私が戻ってくるのを待っていた。「麻生が、富士男さんを威嚇したのよ。それで、富士男さん、溝の下に逃げて入ったの。」

富士男さんは、静かに、溝の下に逃げたらしい。富士男さんはいつもそう。争わず、誰かの餌をとることもない。とても、静かで、寡黙な人(猫)。

仔猫たちも、母猫に習って、威嚇をすることを覚えていくのだろうと。親子3匹がいると、富士男さんのような猫は、そこに居れない。リラもそんな子だった。多分、ヴェガはそういう中で、S井さんの家のちかくから離れて行った。

麻生の子供たちだけでも、譲渡に出せないかと、Oさんは言った。

富士男さんは呼んでも出てこない。富士男さんはそんな人(猫)。

折角Oさんが、家の敷地の端でえさをあげる事に了解してくれたけど、ここで餌をやると、富士男さんは来ることができなくなるかもしれない。

麻生達親子をS井さんの家の玄関前に誘導し、そこで餌をあげた。

「富士男さ~ん、大丈夫よ、出ておいで、ごはんよ」

富士男さんは出てこなかった。雨も降って来たし、富士男さんはそう簡単に動く人じゃないから、家に帰る事にした。

メヤニーをどうするか・・・。

友人に預かってもらうか。このまま麻生達と一緒に居させるか。一緒に居させてあげたいけど、私の家の敷地でリラたちと上手く行かなかった事も、麻生のやり方が、まずかったとは思う。

猫たちには、猫たちの生き方や習性があるのだろうけど、人間たちが暮らしている町の中で、それぞれが、妥協点のようなものを見つけて、共生をしたい。リラの場所や物を取ったり、富士男さんを威嚇したり、しないで欲しい。そんな事をしていると、私は、私たちは、麻生の事が嫌いになってしまう。

この数か月、見てきた必死で子供たちを育てる麻生の事や、麻生が持っている性格的な問題のような事は、また改めて書こうと思う。

このブログを書き終えたら、もう一回、富士男さんを探しに行くのだと思う。

メヤニーの事も気になる。どうしようか・・・

きっと、流れがある。