S井さんの家の前に置かれるエサ。撒かれているのではなく、盛られている。そして、他の猫たちもS井さんのところに来るようになった。

キジダーとリラが喧嘩をしていたらしい。キジダーは、おじいさんの家の先の先辺りが棲家のはず。

朝、麻生子がゾロと喧嘩をしてた。

このままではよろしくないというか、おかしなことになる。この町の猫たちを問題といって、それに取り組みたいのであれば、私たちだけでは到底間に合わない。そのくらい、この町の猫の数と状況は・・・酷い。自治会が動かないとどうしようもない。

一か八か、町内会長に相談してみようと、会長の家に行くと、奥さまが出てきた。

「この前、S井さんの家のところに置き餌をされるので、貼り紙をしたでしょ。」

「え?知らないわ。」

「貼り紙をするときに、会ったじゃないですか」

「あら、そうだったかしら?町内会は猫のことには関与しませんから!」

「貼り紙してもダメで、餌を置かれるんです。それで他の猫たちが集まってき出したんです。」

「関与しませんから!」と手でバッテンを作った。

「でも、町内会の協力がないと・・・。あそこに餌を置かれて、猫たちが集まり出したら、多分、私のせいにされます」

「言ったように、関与しませんから!」

「じゃあ、どうしましょ・・・。仕方ないですね。じゃぁ、手を引きます。」

そう言うしかなかった。

帰りに麻生一家の家を撤去した。

 

その日の夕方、Oさんの家の敷地に3山、餌が盛られていたらしい。Oさんはその餌を掃いて、S井さんの家の前に移動させたそうだ。

前の記事にも書いたけど、Oさん、Nさん、私、ゆかさんたち家族がいない隙に餌が盛られる。とても気持ちが悪い。夏に麻生たちの避妊手術をするためにおじいさんの家のところに餌やりに行っていた時にも、どこからか、餌、チキンが飛んできた。どの家か分からない。

多分、猫のことを思っているのかもしれないけど、だったら、隠れず参加して欲しかった。だけど、このままじゃ、私が餌を盛って置いていることになると思う。より複雑になるだろうし、会長の奥さんに手を引くと言ったし、撤退するしかないと理解した。

リラは、今日は辛そうだった。昨日一昨日は少し楽そうだったけど、今日は何度も何度もトイレに行っていた。血尿を出してた。そんな夜は、外で過ごそうとする。少し寒いから心配だけど、何度家に入れても、外に出たがるリラの抗生剤は今日で5日。どうか、よくなりますように。

リラが心配で外に何度も出たついでに、S井さんの家の玄関に行くと、残った餌がそのままあった。私は、私たちは、手を引くしかない。

作ったばかりの麻生の家は、撤去した。