メヤニーの引っ越しがあって、麻生家族も比較的スムーズに移動が終わった。

リラも、様子を見ながら、観察をしながら麻生たちとの折り合いを探していた。たぶんね。

クワタと呼んでる去勢済みの黒のオス猫が、時々私の家の庭に来た。麻生たちが来てからは、ちょっと頻繁に来るようになった。

麻生たちが住めるように整えた場所(麻生の家と呼ぼう)の奥に、廃屋があって、クワタがよく出入りしていたから、そこを「クワタの家」と呼んでいた。

ある日、麻生の家の上の屋根の上で、誰かが唸ってた。

リラと、クワタだった。

クワタは体も大きいので気が気じゃなかった。しばらくしてクワタが退散した。多分だけど、リラはリラなりに、麻生たちを迎え入れてたんだと思う。メヤニーの引っ越しのときも、リラはとても協力的だった。

だけど、ある時期から、麻生を威嚇するようになったの。子どもたちにも襲いかかるようになったの。

ずっと気になっていたのは、麻生や子どもたちは、リラのお気に入りの場所をどんどん取るの。いつも玄関前にリラはいるんだけど、親子とメヤニーの4頭で、玄関前に居座るの。これは、良くないと思い、何度も、何度も、追い払う。麻生の家はあっちだよって。

最初の頃は、私が作った麻生の家が気に入ったのか、よくそこにいたの。でも、しばらくするとそこにあまり滞在しなくなって、玄関前にいることが増えていくの。

そこは、リラの場所。で、私も気になったから、何度も、何度も、何度も、何度もそこから払う。だけど、麻生と、麻生子、麻生美、メヤニーがまたそこにいる。多分、子どもたちはただ、無邪気にそこにいるんだけど、麻生は多分違うんだ。

そうやって麻生一家がいると、難しいヴェガはご飯を食べに来ない。

そうこうしていると、リラがピリピリしてきて、子猫たちにも唸りだして、飛びかかるようになったの。

メヤニーはびっくりして、リラに怯えてる。麻生の家のあたりからこっちにあまり来ないようになった。だけど、麻生は尻尾を立ててやってくる。どれだけ、怒っても、水をかけても、ホウキで払っても。

でも、リラが睨むと後退りする。

そして、麻生の家の奥にある廃屋によく行くようになったから、それでよかったと思ってたけど、飽きたら玄関に来る。

麻生はリラにビビりまくってる。だけど、多分、麻生は、私から愛してもらえるって思ったのだと思う。たぶん、今まで可愛がられたり、愛されたりしてないのかもしれない。だから、とても切ないんだ。

リラは、夜も昼も心休まらなくなってしまったの。仔猫がチョロチョロするだけで、もう、目障りなのね。麻生子や麻生美にもとびかかる。

 

リラはゆっくり眠ってもないので、家に入れて、私のそばにいると、寝るの。だけど、家の中にいると、空気も、自由も違う。麻生たちは(子どもたちはただ無邪気)、外で遊ぶ。

 

リラは、麻生を追い出して、ずっと庭の入口で見張ってる。

麻生と子どもたちは、私の家の坂の下にいて動けない。

ヴェガは姿を見せない。

リラは、気が休まらない。

 

その夜、麻生と子猫たちを捕まえて、もともといたおじいさんのところに連れて行ってみたの。30分後に様子を見に行くと、そこにいたわ。

家に帰ると、家の前の坂の上にヴェガがいた。ヴェガにご飯を食べさせたら、麻生が玄関に居たの。だけど、子どもたちはいないの。

子どもたちを探しに行くと、おじいさんの家への途中にある物置の下にいた。メヤニーは、麻生の家に一人でいたの。

わたし、怒っちゃってね。子どもたちをケージに入れて、麻生を一人にしたの。

今日は、ここまでにしとく。

というのも、まだリラが不安定で、私のそばを離れないの。私の横においた椅子でぐっすり眠ってる。

この椅子も子どもたちに取られて、それからすっかりリラはこの椅子を使わなくなったから、先日石鹸で洗ったら、また座り始めた。

PCは寝室にあるから、粗相をされると大変。だから、これは縁側でタブレットで書いているの。

だから、続きはまた今度。まだ、解決してないから、色々起こってるしね